就活残酷物語・6畳一間の保育所に子供が15人!

アラフィフの就活

書類審査に落ちまくりのアラフィフは、無料の求人情報誌で、書類選考なしの「いきなり面接」を選ぶことにした。

決して、ハローワークには掲載されない、「履歴書を持って、おいでください」とあるのが、いきなり面接だ。

前回記事はこちら↓

就活残酷物語・職業訓練を阻止されてしまう!
詐欺事件やら事故により、無職&借金持ちになってしまい、慌てて就活を始めたのだが、アラフィフ故、世間に相手にされない・・ 最初は求人情報誌で探していたが、書類選考の時点で跳ねられ、送っても送っても送り返され、面接までもいかない。 ハロ...

 

風俗街のど真ん中の保育所

最初に選んだのが、保育の仕事。

資格は不要とあり、交代制で、数時間子どもたちの世話をする、とあり、子育て経験があるから、何とかいけるかもしれないと、一縷の望み。

それに、場所が風俗街の真ん中にあるので、応募は少ないのでは・・と考えた。

で、電話で予約を取り、面接に挑んだのだった。

バスと電車を乗り継ぎ、繁華街の中の風俗街へ出掛けていく。

夜はネオンがひしめいて、遠目から見ても、いかがわしい匂いが香ってくるが、昼間はどこもここも閉じられて、怖いくらいに閑散と静まり返っている。

もちろん、街の中に入ったのは初めてで、こんなに広いとは思わなかったくらいに、広い。

住所を頼りに、ビルの林の中、細い路地を、何度もくねくねと歩き、ようやく小さな古いマンションに行き当たった。

ここの3階で、窓には「わんぱく〇〇園」と安っぽい看板を掛けている。

 

6畳一間に子ども数人がひしめく

普通の居住用のマンションらしい。インターホンを鳴らすと、若い男性がドアを開けた。

面接に来た、と、告げると、奥から女が顔を出した。私を見て、やや驚いた様子で、中に入れという。

「経営者の〇〇です」というので、履歴書を渡したが、ポカンとして、握りしめたままだ。

「え~と、保育士さんですか?」

「いえ、資格はないけど、子育て経験はあります」

玄関を入ったら、すぐに半畳ほどの、小さな備え付けの台所があり、その奥の6帖の部屋に子どもたちが数人居た。

何人かが、私を見つけて、駆け寄ってきて、こんにちは、こんにちは、と挨拶してくれる。

「新しい先生?今日から来るの?」と、次々と話しかけてくれる。

部屋では、先程の男性が本を読み聞かせていた。

普通の保育所とはイメージが違って、遊び道具や机や棚も無く、がらんとした部屋で、子どもたちは寝そべって、床で絵を描いたり、本を読んでいる。

 

重労働です!体力無いおばさんは一喝される

30代前半と見える経営者の女は、

「ここの子たちは、ずっとここに居るので、ご飯も食べさせるし、お風呂にも入れるんです。重労働ですよ!!」

「今は数人ですが、夜になるともっと来ます。24時間で30人ほど預かります。赤ちゃんも居るので、一人ひとりお風呂に入れなくちゃならないです!」

こんな狭い台所で、30人ほどの食事を作る?

台所の前にはお風呂があり、バスタブも小さいし、全体に狭い。一人ひとりで無いと、入れないだろう。

夜中は半分ほどの15人になるという。寝る場所は6帖の部屋しかない。机も棚も置けないはずだ。

 

ここの子は一歩も外に出られません!

さらに、経営者の女は追い打ちを掛けるように、

「子供たちは、ここに来ると一歩も外には出ません!朝来ると、夜まで居ても、ずっとここに居ます」

つまり、散歩もなし、公園などにも行かせてもらえないということ!だから、どの子も肌が白くて、日焼けがないのか・・

思わず、「ごろ寝しながら、お絵かきしている子どもたち」を見てしまう・・・

「もし、働いてもらうのなら、交代制で、夜の番は12時まで居てもらいます!」

帰る最終バスは10時半だ。

「帰れなくなるので、10時半までしか無理なのですが・・」

「では、駄目ですね!私は夜は帰らねばなりません。夫が残業で遅いので、二人の子どもたちの面倒を見ないといけないですから!」

「私は、子供にきちんと夕食を作って、食べさせて、夜寝るまで、ずっと一緒に居ることを心がけています」

「うちの子供達には、淋しい思いや辛い思いをさせたくないのです!なので、夜に入れない人は雇えないです!」

と、叫ぶように言うと、私の履歴書を、私の胸に押し付けてきた。

 

国の援助が無い、無認可保育所とは?

いやはや、人の子供は、こんな狭い場所に閉じ込めて、外にも出してやらないのに、自分の子供だけは守るんだ~

と、理不尽な経営者に、腹立たしい気持ちが沸き起こったが・・

そのうちに、国の援助はないから、低予算で経営しなければやっていけないという、厳しく、どうしようもない現実。

風俗街で働く母親たちと、子どもたちの悲鳴を、毎日聞いているのではないか、と感じた。

無認可保育所とは何なのか・・結局、社会の底辺に、生きざるを得ない人たちがすがる場所?風俗だって、好き好んで働いている人など皆無だろう。

社会保障が無さすぎる、この国が生んだ、デタラメでもいい「無認可保育所」。

私自身が、社会の底辺に落っことされなければ、知らなかった世界である。

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